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第74回

椅子クラフトはなぜ生き残るのか

第74回の講師は坂井素思先生でした。先生は、2020年に『椅子クラフトはなぜ生き残るのか』(左右社)を刊行されました。同書は、社会経済学者が椅子をテーマに論述するという、今までになかった内容となっています。執筆にあたっては、武蔵野美術大学美術館・図書館の椅子コレクション、松本民芸家具、信州在住の木工家など数多くの椅子関係者を取材されました。

フォーラムでは、本の目的である「椅子をクラフトする」とはどういうことなのか、クラフツ文化というものがもしあるなら、それは現代社会にとってどういう意味を持っているのかなどの点を踏まえながらお話しいただきました。

ph 坂井さん ムサビ椅子コレクション toriming.jpg

第69回 木の文化フォーラム

September 06, 2019

デザイナーの視点からの、林地残材や未利用材を使ったものづくり ~スギの間伐材や枝、竹などのプロダクト~

第69回フォーラムの講師は、家具・プロダクトデザイナーの榎本文夫さんでした。12年ほど前から竹や針葉樹を用いた家具やプロダクト製品のデザインを手掛けられ、特に最近は、林地残材(林地での伐採作業の際に放置された残材や枝など)の利用について研究されています。近年注目されている針葉樹などの活用について、デザイナー視点から語っていただきました。柔らかい材を用いる際の強度とデザインの関係など、経験豊富なデザイナーならではのお話が盛りだくさんの回となりました。

第68回 木の文化フォーラム

June 07, 2019

突板(つきいた)とは何か

第68回フォーラムの講師は、突板トップメーカー北三(ほくさん)の営業本部長・冨部久さんでした。突板とは、1ミリ以下の厚みに切削された薄い単板で、厚突と呼ばれる0.5ミリ、薄突と呼ばれる0.2ミリが標準となっています。美しい木目を生かしながら、合板など様々な基材の表面に貼られて使用されます。突板に使われている木の種類、製造工程、最新の活用方法など、実際の突板サンプルを配布して、突板について詳しく解説していただきました。加工の様子を記録した映像も上映してくださいました。

第66回 木の文化フォーラム

December 07, 2018

この道55年の木工家が、デザインや木工について大いに語る

第66回フォーラムの講師は、木工家の井崎正治さんでした。15歳で木工の仕事を始めて以来、この道55年になる大ベテラン。長年の経験を踏まえて、デザインや木工についての考え方、自作品への思いと解説、若手の木工関係者や建築家へ期待することなどについて、ざっくばらんに語っていただきました。井崎さんには、いろいろと示唆に富む言葉があります。例えば、「デザインっぽいものは好きじゃない」「自分は、アートをしたいわけじゃない」

「まず、暮らしてみる。自分で衣食住に関するものを作ってみる。そこで気づくことがいっぱいある。その中から新しいものが生まれるのです」等々。

第65回 木の文化フォーラム

September 07, 2018

北欧 木の家具と建築の知恵 ~北欧デザインのルーツはここにあった~

第65回フォーラムの講師は、北欧民家研究家の長谷川清之さんをお招きしました。長年にわたって、日大芸術学部で建築設計・デザインについて学生に指導されながら、フィンランド、スウェーデン、ノルウェーなどの北欧木造民家の研究を続けてこられた長谷川先生に、北欧各国別の木造民家の特徴についてお話しいただきました。また、民家の中で使われていた木製家具や什器などを通して感じられる北欧の人々の木に対する強く深い想い、木に対する強く深い想いに見える「ものづくり(デザイン)」「森づくり(環境)」「人づくり(環境)」などについて語っていただきました。

第64回 木の文化フォーラム

June 08, 2018

Eames Origin 進化と足跡 ~イームズの原点とその進化を探ると、見えてくるものがある~

第64回フォーラムの講師は、インテリア・プロダクトデザイナーで武蔵野美術大学名誉教授の寺原芳彦さんをお招きしました。長年にわたって、武蔵野美術大学でデザインについて学生に指導されながら、インテリアや家具などの研究やデザインを手掛けてこられた寺原さんは、 特に、チャールズ&レイ・イームズの研究について、国内第一人者といわれています。チャールズ・イームズ(1907~78)の没後40年という節目の年にあたり、イームズの考え方や作品が、日本にどのような影響を及ぼしたかなどについてお話しいただきました。また、寺原さんの木製デザイン最新作として「トレーラーハウス」についてもお話しいただきました。

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